乗り越えるということ


カズが、フランスから帰されたとき、サッカーなど何も知らない私でさえ、衝撃をうけた。
だけど、カズは、怒るわけでもなく、代表のスピリッツは置いてきた!っと、堂々と語った
。すごい!仮に、恨み言並べたとしても、誰も攻めなかったよ。


あのころ、まさきは、ボーイ・スカウトの小さい子のクラスにはいっていて、GWに運動会があった。リレーに出るのを楽しみにしていたまさきは、直前になって、途中から参加した子にリレーを、ゆずるように、言われてしまって・・・
怒るまさき・・・
そのまま、どこかへいってしまい、怒っても、なだめても、言うことを聞かない。困り果てて散歩につれだしながら、500円玉をあげて、おやつを買えば、機嫌直るだろう・・・っと。だけど、こんな、物で、つっていいのか、もっと、何か、ないの???っと、思ったそのときに・・・。


まさき、世の中には、思いどうりにならないことなんて、いっぱいある!
こんなことぐらいで、くじけててどうすんの!!!
そういって、カズの話をした。わざわざ、海外まで行って、夢の直前でかえされてしまったこと。
たった、11人しかでられないサッカー・・
野球だって、そう。9人しかでられない・・・
受験だって、行きたい高校に全員が、行けるわけではない



まさきは、大きく目を見開いて聞いていた・・・!そして、
戻ろう、と言った
うつろな目で、リレーをみていた。とても応援してるとは言えなかったけど
世の中には、どうにもならないことが、いっぱいある
出たいから、全員が出られる、そんな甘い社会ではない、っと・・・

小さいまさきの心にも 届いたようだった・・



まさきが、サッカーを始めたのは、それから、1,2ヵ月後のこと・・・


1年から2年にあがるとき、
「これから、6年生まで、キャプテンは、まさきでいこうと思うから!」
っと、キャプテンマークを持ったコーチが、家まで来た。

まさきのチームだったよ。みんな、おとなしくって。ヒトリでしきっていた。指示も出してたし。


それが、引っ越して移ったチームでは、スタメンもままならくなり。


私はいつも
そのなかで、腐らずにサッカーをつづけてきた まさきを、ホントにえらいなぁ〜っと、思ってきたよ。今までと立場が逆転し、だけど、文句ひとつ言わず。
心の中では、屈辱がにえかえってたかもしれない。でも、だからって、投げ出してしまうことだけは、しては、いけない。

一度だけ、プロにもなれないしやめようかな、っと言ったことがある。
ひめちゃんは、プロになるために、バスケをしてるわけじゃないよ、バスケが好きだから、してるだけだよ(部活の話)そういうと、急に顔が明るくなって

そっか!!!っと。

好きだからやる

それで、いいじゃないか・・・。
そう、それで。


あのころのように、
まさきの心に届く言葉は、今はまだ、みつからないけど。
必ず、あるはず、心に届く言葉は。