覚醒 ・・増嶋竜也

柏レイソルとのサテライト戦で、私たちは あなたを観て、
そう思った
それは…
以前よりも 更に 進化した姿にみえました
いや、でも それはただ、
あなたは 本来の自分を 取り戻しつつあった、という
ただ それだけなのだと 思う
あなたの 動きの全ては
キャプテンだった
声をだし、両手をひろげ ラインを統率し、局面では何度も手をたたきながら、みんなを盛り上げた
その腕に、キャプテンマークは 巻かれてはなかったけど。
だからこそ私はあのときに
これはもう あなたにしみこんだ 天性のものなのだと そう悟った。
それこそが、大熊監督が 求めている、あなた なのだと。
だから
何も 心配は いらないのだと…
それでも 心の隅で
なかなか完治しないケガの具合に、もしかして 間に合わなかったら、と、
あなたは不安も抱えていたのかも しれませんね
言葉で 自分を鼓舞しても、ふっと揺らぐ その心に
何かを届けることができたのかな
だから、うれしかったです、と
あのとき、言ってくれたんでしょうね
私も
そんなふうに言ってもらえるなんて、とっても うれしい、と、
言えていれば よかった。
私たちの言葉は 一方通行なものだと 勝手に思っていたので
まさか そんなふうに、言葉が 返ってくるなんて…！
ホンとに ピュアな心を あなたは もっている…

at that time
まさに そのとき
それが いつだとしても
必ず 訪れる
静かに…
あまりに謙虚な あなたの 言葉からも
あなたの中で、今、何かが 静かに回り始めたのだと そう 思う

特別扱いはしない、と言う
言葉じたいが すでに 特別扱いなので
ただ今は 心静かに
自分を 信じていればいい。