逃げるサッカーはしない 増嶋竜也

名古屋戦に出て
浦和戦に出て
代表に行った…
そして 手応えと自信をつかんで…
取材もあった

そのあとだったんだね
そのあとだったからこそ…
あのときの涙は できない自分への悔しさで 一杯だった…

もしかしら
そんな自分を一番励ましたのは
ほんの数日前の自分自身の言葉だったのかも しれない

自分の落ち込みとは無関係に 時間は流れていく
自分の発した言葉は活字になり 大勢の知るところとなる

立ち止まってる暇などないのだ

そして 今 とても あなたは静かな眼差しをしている
それは
すべてを 乗り越えて行くことを 覚悟した上で
訪れた自信

がむしゃらにやることも必要だけど

本当の本当の変化は
静かに 自分の中に訪れる…

そして その訪れは
どうにもならない どん底を見たあとなんだ…必ず

どうにもならない いっばい いっぱいになった 心が 叫んだとき

地軸が 動く！
あなたの中で

そう
動き始めた

逃げるサッカーはしない、と
心の奥深く 刻んだら
あとは
そのとおりに 回り始める 自分の力を信じるだけ

コイントスの仕事が増えるだけ と笑う
あなたは いつだって することは ひとつ

その両腕を 翼のように広げて
みんなを鼓舞するだけ

はばたけ
大舞台に